お盆についてくわしく知ろう

お盆の正式名称は、「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言われています。それが省略形として「お盆」と言われています。
お盆は、先祖や亡くなった方たちが成仏できるつようにと思いをこめて子孫が、報恩や追善の供養をする期間のことをいいます。
陰暦の7月15日で お盆を迎える(旧盆)地域と、明治6年新暦に切り替えられた際に7月17日頃にお盆を迎えるとした地域、また8月15日にお盆を迎えるとした地域と、大きく3つに分かれています。
東京都地方のお盆の時期が違うのにはこういった事情があったのです。
新盆って何??
49日法要が終わってから最初に迎えるお盆のことを、新盆または初盆といいます。新盆の時は、家の門口やお墓に白一色の提灯を立てます。(宗派によって異なります。)
また、故人が亡くなって初めて里帰りするということで故人の近親者は集まって故人の思い出話などをします。また、提灯を送ったり最近では提灯を飾る場所がないことから提灯代として現金が送られることがあります。
また、新盆の際は住職にお経をあげてもらい供養をします。お経の際、地域によって異なりますが、近親者を集めて盛大に供養をするところもあります。
お盆のお花ってなに??
ほおずき
ご先祖様の提灯として、お盆には欠かせないアイテムです。
蓮
仏教ではレンゲと称しており、極楽浄土を象徴する花となっています。
蓮は、開花期がお盆と合うこともあり、使用されるようになりました。
ミソハギ
地域によってですが、ミソハギの花穂に水をふくませて、お供え物に水をかけるという風習があります。
禊を連想させるところからミソギハギと呼ばれ、そのうちにミソハギになったと言われていまします。
お盆の盆花として欠かせない花となっています。
リンドウ
リンドウの花言葉は、「悲しんでいるあなたを愛する」という意味があることや、お盆の時期にちょうど野山に咲くためお盆の花として使用されるようになりました。
また、長持ちするので仏花としてとても適していると言われています。
スターチス・・・お釈迦様の座禅の足を意味していると言われお供えには紫が使用されるようになったと言われています。暑いじきでも花持ちが良いためお供えの花に適しています。
お盆の提灯に決まりはあるの?
お盆の提灯は、迎え火、送り火の大切な役割となっていて、先祖や故人の霊が迷わず帰ってくる目印として飾ります。また、故人の冥福を祈り、感謝の気持ちを込めてお盆の供養を表すものとなっています。
お盆の提灯には、宗派による違いはないので、好きな提灯を選ぶことができます。
種類としては、吊るすタイプの御所提灯等と言われるものと、置くタイプの大内行灯や回転行灯と言われる2種類があります。どちらも、意味は同じです。
また、盆提灯の飾る数ですが、仏壇や精霊棚の前に一対、二対と飾りますが、数に決まりがあるわけではありません。
また、新盆の場合は普通に使用される提灯の他に新盆用の白提灯を飾ります。これは、外から見えるところに飾る家が多く、初めて帰ってくる故人の霊が迷わないための目印となります。白提灯を飾るのは新盆の時だけとなっていて、お盆が終わったら燃やして処分します。
提灯の種類を教えて。
大内行灯・・・・・・
大内行灯は床置の提灯です。最も多く使用されている提灯で、三本足の上に火袋があり上部に雲手をつけたものです。
大内が皇居内裏を指すということから、大事な場所に置く行灯という意味で名付けられたといわれています。
御所提灯・・・・・・
壷型の吊提灯のことをいいます。
都内ではあまり見ることはありませんが、地方の広い家などに行くと縁側などにこの提灯がぶら下がっていることがあります。
切子灯籠・・・・・・
角を落とした多面体の火袋を持ちます。下部に紙などを垂らした吊り灯籠です。
御殿丸・・・・・・
吊提灯の一種で、球型の火袋をもち、手坂と下輪に房をつけたものです。
住吉・・・・・・
円筒型の長い吊提灯のことをいいます。博多の住吉町が発端で現在では、
九州地方をはじめ北関東などで多く使用されています。
博多長・・・・・・
上部の手坂の両脇と下輪から房をたらした長い吊提灯のことをいいます。
博多が発端で、現在では九州の北部を中心に使われています。
各地の風習について
全国的な風習として、精霊棚、迎え火、送り火というものがあります。
精霊棚は、各家庭や地域の風習によって違いますが、一般的には位牌を安置しお供えをします。ただ、近年では住宅事情や核家族の増加もあり、簡略化されているということもあります。仏壇をきれいに掃除しお飾りをするだけという形でお盆を迎えるケースも増えています。
また、地方によっては、精霊棚に精霊馬と呼ばれるナスやキュウリを使って牛、馬を模ったもの供える風習もあります。
迎え火は13日の迎え盆の夕方に盆提灯を灯し、玄関先や庭先で麻の茎を乾燥させた麻柄を焚くことを言います。地方によっては、お墓まで行き、掃除などをしてご先祖様を迎える留守参りを行うところもあります。
送り火は、15日か16日の送り盆の夕方に、ご先祖様の霊を帰すために焚きます。川などで行われる灯篭流しも送り火と同じ意味の風習です。